WEB再録のIMAGEを拝読いたしました。読了後、まず放心してしまった程、凄まじい質量の世界を味わいました。原作にあったかのように錯覚する程説得力のある国都英一郎の人生の、その中での彼の心の動きをこんなに具体的に感じる事ができるのかと、少し恐ろしくなりながら読み進めたのを覚えています。私は国都英一郎が大好きで、ずっと彼の事を考えていましたが、彼が何を考えて生きているのか、行動しているのか、いつも少しもわかりませんでした。この作品で、その答えとしてピッタリと添いそうな仮説を得たように思います。素朴で、純粋で、ひたむきで、年相応に青い彼の心は、一つ一つの吹き出しやモノローグ、原作に映らなかった表情に分解していくとこうなるのかもしれないな、と納得できました。彼にとっての怪物バッテリーへの敗北の意味や、試合の後で対戦相手に声をかける陽ノ本と同じ行動から対照的な結果が出ていた事への描写は特に、思わずハッとさせられるような流れで描かれていて、引き込まれました。みかわ絵子先生から直々に“天才”バッターであると評され、35話でも残酷に“脇役”を作り出してしまう、ともすれば怪物バッテリーと同様と言える才能を持つ彼が、他の球児に残酷な運命を突き付ける事も、やはりあったのだろうと2人の先輩の描写から改めて生々しく感じました。そして、陽盟戦での敗北の意味も。周囲から孤立するほど近寄りがたい空気を纏うようになって、怪物バッテリーの事も目に入らなくなった彼が何を考えていたのか、読んでいて胸が痛くなりました。だからこそ、突然やってきた乗富の存在が明るくて温かくて、人間らしくて、とても嬉しかったです。IMAGEというタイトルは全編通して納得できる秀逸なものだと思いますが、そのタイトルが一番効いてくるのは個人的にはここからのクライマックスでした。プロローグの幼き日の世界一愛らしい国都がコーチの教えを受けて、考え続けた事が、怪物たちがそうだったように小手指対帝徳の試合中の国都に語りかける、原作を思わせる秀逸なページが大好きです。陽盟への敗北に囚われていた視界が晴れ、久我や、先輩の回想を経て、見るべきものを理解していく国都の心に揺さぶられて、この辺りはもうずっと泣きながら読んでいました。この作品が私に彼の納得への納得を与えてくれました。間に合わなかったものに寂しさを残した彼の夏を、愛おしいと思いました。