
マシュマロちゃんさんの回答
暗に「ニッチだから読まれない」という前提がありますが、読まれないのはそもそも文章力に問題があるせいだと思います。
なので文章力を簡単に上げる方法を教えます。
他の方に以前回答した「3つの壁」に言及していますので、まずその概念で説明します。
(「3つの壁」についてはこちら https://twitter.com/marshmallow_qa/status/1268843346279034881?s=21 )
普通は自意識の壁→技術の壁→純化の壁という順に壁が立ちはだかります。しかしメッセージを読むと既に純化の壁を登り始めているようですが、率直に言えば技術の壁を越えた人の文章ではありません。これは妙です。
もしかすると早い段階でするっと純化の壁を見つけてしまった天才肌かもしれません。普通は純化の壁を探す長い過程のうちに、技術の壁も登り終えてしまいます。ですが純化の壁に到達するスピードが早すぎて、技術の壁を十分に登っていないのです。だから考えていることのレベルの高さに文章力が追いついていないような気がします。しかし技術の壁を最低限は越えていないと、表現をどう純化しても読まれません。単純な話で、ちゃんと伝わらないからです。
では具体的に何が問題かというと、「読者のメモリ」を意識できていないことが問題です。読者の頭、もっと言えば短期記憶の状態を意識できていないのです。この「読者のメモリ」がうまく管理されている、頭にすっと入ってくる文章かどうかを決めます。
たとえばこんな文章があったとします。
例文A
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①は②で、③は④です。
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これはすっと頭に入るものです。
しかしこれはどうでしょう。
例文B
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①について、②が③なのは④だが、また⑤が⑥、あるいは⑦は⑧ですが、⑨です。
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カオスですね。
こんなふざけた文章ならそりゃ当然だと思うかもしれません。でも訓練を積んでいない人の文章は基本的に例文Bになりがちです。
実際のメッセージを見てみます。
例文C
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これから書くことに関して、自意識過剰だと言われかねないという自覚があるので通常は表立って言うことは控えるようにはしていますが、マシュマロちゃん宛なので許されたいと思いつつ送ります。
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これをチャンク(情報のひとかたまり)を「①」のように表記して、例文AやBと同じように書き換えてみます。
例文D
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①に関して、②という③があるので④することは⑤していますが、⑥なので⑦されたいと⑧しつつ⑨します。
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カオスな例文Bと似たような感じですね。
ではなぜ例文A以外が読みづらいのかと言うと、読者のメモリを超える情報量になっているからです。
人が楽に覚えられるチャンクは、一度に4±1個です。すなわち3~5チャンクが読者のメモリです。そのため、チャンク⑨まである例文BとDはメモリオーバーです。スマホでYouTubeを見ている状態で言えば、動画がカクカクしちゃってる状態です。これではちゃんと伝わりません。
解決する方法もスマホのメモリオーバーと同じです。立ち上げっぱなしのアプリを終了したりして、メモリ解放をしてあげればいいのです。文章でのメモリ解放の主な手段は句点(。)を打つことです。
そこで例文Dをメモリオーバーにならないように直してみます。
例文E
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①に関して、②という③があります。だから①することは②しています。でも①なので②されたいと③しつつ④します。
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チャンクが4以内になりました。
これを例文Cで使っていた単語で復元してみます。
例文F
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これから書くことに関して、自意識過剰だと言われかねないという自覚があります。だから通常は表立って言うことは控えるようにはしています。でもマシュマロちゃん宛なので許されたいと思いつつ送ります。
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改めて例文Cと比べてみます。
例文C
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これから書くことに関して、自意識過剰だと言われかねないという自覚があるので通常は表立って言うことは控えるようにはしていますが、マシュマロちゃん宛なので許されたいと思いつつ送ります。
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「読者のメモリ」が意識された文章の違いを感じていただけたでしょうか。
というわけで、あなたの当面の問題は「読者のメモリ」を意識できていないことだとマシュマロちゃんは思っています。作品の方向性をどう選択するか以前の問題です。
でもこの問題は割と簡単に克服できます。普通は問題が複合的なので、簡単に文章力を上げる方法などありません。でもあなたの文章はメモリオーバーしまくっているので、問題がシンプルです。
そして、このメモリ管理の感覚を掴む簡単な方法もあります。それは「読点は一文で一回まで」というルールです。チャンク数が増えると読点で繋ぎたくなるので、読点を制限するとチャンク数を意識できます。
まずは「読点は一文で一回まで」ルールを徹底してみると感覚が掴めると思います。あなたには向上心があり、既に最もハードな純化の壁に立ち向かえているわけです。このレベルは「簡単」としか言えないでしょう。まぁ実際これはそう難しくないので、メモリ管理レベル1です。一気呵成に書いているので数えていませんが、この回答もだいたい読点一回以内だと思います。
頑張らなくてもレベル1をこなせるようになったら、レベル2に進みましょう。以下のルールを守ってください。
・一文を長く書かず、複数の短い文にする
・読点を使いすぎない
・強調する文以外では接続詞を使わない
・たまに10字以内の短文を入れてみる
これらをしっかり意識すると、同時に「読者のメモリ」も意識できます。
そのうちレベル2も楽にこなせるようになると思います。なぜなら、レベル2のルールはシンプルで読みやすい文章の小説がごく当たり前に持っている特徴だからです。
しかしマシュマロちゃんはわかっています。メッセージを読む限り、あなたは饒舌文体が好きなのです。だからこれで終わってしまっては純化の足枷になってしまう可能性があります。そこでレベル3です。
一文が長い饒舌文体は、ただ長いわけではありません。文中で高度なメモリ管理をすることで、長く続けても読みやすいという文体なのです。
とはいえ、句点を打ったら文章が終わってしまいます。だから以下のような手を使ってメモリを管理してください。それがレベル3です。
・助詞等と読点でメモリをプチ解放
・チャンク自体を小さくして使用メモリ軽減
・反復によって使用メモリ圧縮
・枕詞で予測させて使用メモリ軽減
正直もはや何を言っているかわからなくなってきていると思います。なのでここで改めて例文Cを見てみます。
例文C
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これから書くことに関して、自意識過剰だと言われかねないという自覚があるので通常は表立って言うことは控えるようにはしていますが、マシュマロちゃん宛なので許されたいと思いつつ送ります。
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「読者のメモリ」を意識した例文Fは読みやすくなったかとは思いますが、実際のところ持ち味の饒舌さは消滅しています。純化という点では駄文になってしまいました。
だから本来なら、例文Cは饒舌文体のやり方でメモリを管理すべきです。というわけで、どこから駆け込んできて訴えてるような場面を想定した饒舌さでやってみます。
例文G
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これから書くことは自意識過剰だと言われかねないんですが、ええ、そういう自覚があるので表立って言うことは控えているんですが、これはマシュマロちゃん宛ですし、どうか許してもらいたいと思って送ります。
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ちょっとマシュマロちゃんも自信はありませんが、元々の饒舌さを強めた上で読みやすくなっているかと思います。
何をやったかをざっと説明すると、表現の微修正以外には以下をやりました。
「これから書くことに関して」→「これから書くことは」
「通常は表立って」→「表立って」
でチャンクを小さく。
「自意識過剰だと言われかねないという自覚があるので通常は表立って言うことは控えるようにはしていますが」→「自意識過剰だと言われかねないんですが、ええ、そういう自覚があるので表立って言うことは控えているんですが」
「ですが」+読点で分割してメモリプチ解放&「ええ」でプチ解放用の区切りを強調してさらに解放&「ですが、」の反復で両文を並列化して圧縮。
「マシュマロちゃん宛なので許されたいと思いつつ送ります。」→「これはマシュマロちゃん宛ですし、どうか許してもらいたいと思って送ります。」
「ですし、」で分割してメモリプチ解放&枕詞「どうか」を付けて「許してもらいたい」を読者に予測させ使用メモリ軽減。
こういう風に書くと大げさになってしまいますが、別に大したことではありません。こういう風に説明する人は少なそうですが、技術の壁を越えている人は特に意識せずこういうことをやっているのです。ですからあなたのように饒舌さが持ち味なら、レベル3の技術は必須でしょう。
説明だけ読むと難しく感じるかもしれませんが、あなたなら乗り越えるでしょう。なぜなら自らの表現をいかに純化させるか考えるほうがよっぽど高度ですし、ガッツのいる作業だからです。それに比べたら大した難易度じゃありません。
そしてレベル3の技術を身に付けたら、また考え方も変わってくるでしょう。本当に身に付けたとしたらいわゆる「読ませる文章」を書けるわけですし、「ニッチなのに読まれる」がある程度実現できているはずだからです。まぁジャンル次第ではそれも難しいかもしれませんが、基本的には可能なはずです。
だからレベル3を習得して技術の壁を越えた先では、「ニッチだけど読まれない作品」or「マス向けで読まれる作品」の迷いなんて吹き飛んでいますよ。
さぁ越えましょう! 壁を!

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